ここでは、営業担当とのコミュニケーションにおいて、法務として日々注意していることをまとめていきたいと思います。
法務担当がやってしまいがちなこと
法務として求められる最も大切なことは、営業担当の話を最後までしっかり聞くことです。
これができず、営業担当がまだ話をしているのに、それを遮ったり、話をかぶせたりしてしまう法務担当者はまだまだ多いです。
法務は似たような相談を日々受けているので、営業担当の話の途中でどんな相談かをつかめてしまうこともあります。
一方で、営業担当は、そうした相談をすることには慣れていません。
そうなると、営業担当からの話が長くなると、どうしても法務担当としては、途中で「つまり・・・」とか「要は・・・」などといったワードを使って、早く結論を出そうとしてしまいたくなります。
営業担当者としては、説明が省けたと感じる方もいるかもしれませんが、一方で、
「話したかったことを話すことができなかったな・・・」
という感情にさせてしまったり、
「事案の概要を十分理解してくれているのだろうか・・・」
といった不安を感じさせたりしてしまう可能性もあります。
実際、営業担当から法務担当が事案の内容を十分に引き出せておらず、法務担当による早とちりが原因で生じたミスなども多く経験してきました。こうしたミスは、営業担当に十分話をしてもらっていれば防げたものも多かったのではないかと思われます。
法務のコミュニケーションはどうあるべきか
相談者は、法務部へ丸投げの形で相談にくるのではなく、自分の考えをもって相談にくるケースがほとんどといえます。また、自身の考えを整理するという目的で相談にきているケースも多いと感じます。
すなわち、自分の考えが法務部の目から見てどうか?という意見を聞きにきているケースがほとんどであると思われます。
とすれば、まずは、営業担当の話をじっくり聞くことが何より重要であるということになります。というより、それで十分である、というケースすらあると思われます。
よく用いられるたとえですが、
「コップの水があふれるまで待つ」
という姿勢が求められているものと思われます。
これができていないと、営業担当者の感情を損ねる可能性もありますし、事案の取違いから早とちりが生じ誤った判断をしてしまう可能性もあります。
営業担当者の説明が多少つたないものであったとしても、まずは最後まで話をしてもらうことが大切です。
そのうえで、相談内容の解決に必要な情報が不足していると思えば、必要な範囲でそれを聞いていけばよいのです。
法務担当者にとってはよくある事案であっても、相談者にとっては不慣れな相談であることを理解し、途中で遮ったり、話をまとめようとしたりすることはせず、最後まで話を聞き切る力が、法務部のメンバーには求められていると私は考えています。
最近は、新入社員の段階からこうした「聞く力」を身につけているメンバーがいて本当に尊敬します。こうした人は、間違いなく社内ですぐに人気を得て、信頼を得られるようになります。
上のような内容は、法務部に限らず、どの部門の人においても当てはまることなのかもしれませんが、日々相談を受ける立場の法務部においては、特に意識されるべきことであると思われます。
本項は以上のとおりです。
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